+ 詩集.....風姿花伝
+ 夢の結末 + 今日も同じ夢を見た 昨日も、その前も・・・ ずっとずっと同じ夢ばかり見てる 結末の無い夢 同じストーリーを繰り返してばかり・・・ その先がどんな展開になるのかさえわからない もどかしくて その先を見ようとしても進まないの わたしは夢を創れない ずっとずっと眠り続けないといけないのかしら? 永遠の眠りに就かないと この夢に完結は訪れないのかしら・・・? |
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+ 恋心 + もうとうに忘れたわ 恋心なんて・・・ 通り雨のように 逃げ惑うわたしの心をずぶ濡れにして 何事も無く去っていくだけだもの・・・ 恋するトキメキよりも 失くしてしまう哀しみの方がこわいもの だから・・・ この心揺り起こさないで・・・ |
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+ 翳 + 愛してるなんて言えば すべてが消えて無くなりそうだったから 静かに佇んでいるわ あなたの癖を真似て あなたの好みを真似て そんな些細な事が楽しかった あなたは静かに笑ってたけど あなたの時間の隙間に 愛の翳が見えたわ だから・・・ 愛してるなんて言えない |
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+ TA・SO・GA・RE + 黄昏時は いつもあなたと影踏みをしながら帰ったわね まるで子供みたいにはしゃぎながら・・・ あの河原で見た大きな木の影まで行くと わたしたちの影は 大きな影に呑み込まれてしまったよね いつもそこがゴール 二人とも息をきらせながら笑ってた わたしたちは、影に影を潜ませたままで とても息苦しいくせに どちらともなく笑うのをやめて 何度も 々 キスをしたわ 大人になったわたしたちは息をきらせることもなく 同じ場所でお別れのキスをしたわね お互いが違う場所にゴールを見つけたから・・・ |
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+ Time Kapsel + 街は生き物みたいね あの頃の面影なんか見事になくなって わたしたちがタムロして語り明かした喫茶店も 今はかわいいファンシーショップになってる 楽しい事や哀しい事、将来の夢や現実・・・ 友達の事、恋人の事・・・、片思いの話・・・ 他のお客さんに煙たがられるほど騒いで たった一杯のココアやミルクで何時間も居座ったけど マスターはいつも笑ってたわね 時折わたしたちの会話にチャチャを入れて わたしたちのブーイングを楽しんでた 化粧を覚えたのもここで、泣いたのもここだった 愛を知ったのもここ、失ったのもここ・・・ ここは、わたしたちの青春を埋めたタイムカプセル 永遠に開く事のできないタイムカプセル みんなどうしてるだろう? マスターは今でもどこかで笑ってるのかな・・・? |
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+ 閉ざされた扉(こころ) + あなたがその扉を開いて 迎え入れてくれないと わたしはそこに行けないわ この身の温もりを分け合う事が出来ても とても遠いあなた 限りなく透明に近く薄い扉は それでいて 鋼のように総てを閉ざすのね あなたはその向こう側にいて このわたしを縛るわ 逃げ出さないように・・・? 逃げはしないわ 愛してるもの その扉の向こう側でも 同じように愛して欲しいだけよ ただ・・・それだけ |
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+ 忘却のレシピ + テーブルの上のダンジュが紅いわ でも・・・ 灯りを落とすと限りなく黒いの まるでわたしの流した血のように・・・暗黒 孤独がわたしを酔わせるのね こうして独りでいると このワインの紅に溶けてしまいそう・・・ Gabriel Faure Pavane,Op.50 この旋律もワイングラスから溢れそうで・・・ 今日の・・・、うううん・・・。 たった今までのすべてさえ忘れたいから 忘却のレシピを開くの 心をフリーズする旋律と それを満たすグラス・・・ 溢れないように 紅のワインを注いで ただ・・・ 飲み干すの 自らが 何をしていたかさえ忘れたいから 忘却のレシピを開くの (注)ダンジュ・・・ワインの銘柄 |
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+ 森の囁き + ねえ、聴こえる? 森の囁き・・・ 迷いも嘘も欲望も すべて投げ出してごらん 何も畏れなくていいわ 何も見なくていいの その身に纏ってきたものを すべてここに脱ぎ捨てればいいわ ほら! 聴こえるでしょ! 森の囁き・・・ 透明な心と 柔らかな愛と・・・ そうやって聴くの 生まれ変わったあなたに 森はきっと囁く |
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+ あの日花公園で・・・ + ほら、綺麗でしょ チューリップのワイングラス! ロゼのワインが似合いそう・・・ でもね、これは妖精の寝床なの ワインを注いだら溺れちゃう 今はみんなお留守なのかしら・・・? 夜更かしして寝過ごしてないかしら・・・? きっとね、きっといるの 今はみんな森で歌ってるわ 日が暮れる前にはきっと帰ってくる! そうして風に揺られながら眠るの・・・ 楽しかった一日と 明日の幸せを夢見て・・・ 物語は、あの日花公園で・・・ |
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+ 驛 + わたしはここに降り立つのでしょうか それともこれから旅立つのでしょうか 薄墨の空は低く垂れ込めて 人気の無い驛舎を思慮深くさせる 錆色の敷石も 鈍く光るレールも 移ろい行く時刻を見ていたのでしょう 人々の出逢いや別離、笑顔、涙、 到着、通過、出発、そして日常・・・ ここにも風はあって いつかどこかに流れてゆき そしてまた いつかどこからか流れてくる 佇む驛舎は風の通過点 何も拒まず、何も留めない わたしは・・・ |
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+ 背中 + 最後まで振り向かなかったわね 期待してた訳じゃないけど・・・ 少し俯き加減で、 何かを確かめるように去って行ったわ もしかしたら期待してたのはあなた!? わたしの言葉を待っていたの・・・? 今はもう確かめる術もないけど、 知らない方がいいこともあるわよね 幸せだったことだけは嘘じゃない 愛してたこともフィクションじゃないわ いつもその背中の後を付いていった いつもその背中を見てた・・・ それも今日が最後 遠ざかる背中・・・、もう見ることもない |
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+ 追憶の海 + この海をもう何度見たかしら・・・ 松任から見た日本海は いつもわたしを釘付けにしたわ 太平洋のそれとはちがう色で いつもわたしを引寄せた まるでわたしの心のように 瑠璃紺の想いと 鳩羽色の過去が波打つ浜辺・・・ このまま この海に身を預けてしまおうかと 幾度となくそう思ったわ でも 一握りの温もりがわたしを引きとめた その温もりも 今はもう無い |
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+ 真夜中の喝采 + 鳴り止まないカーテンコールは 何もかもを絡めとって 鳴り響く 街の灯りも 夜に紛れた嘘も・・・。 夢は不在で 愛はもとより 縋る温もりも在りはしない 潮騒の如く響く 寂寥(せきりょう)の雫は 意識の果てに消えゆく |
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+ 喧騒の中の孤独 + 街外れにある酒場にフラリと立ち寄って 1ヶ月間頑張ったね・・・って、自分にご褒美 生きている事の実感もないままに またひとつ月が廻る・・・ あの日わたしは死んだ! 薄紫のハルシオンを齧りながら 大好きなバーボンを煽ったわ! なぜ助けたの? なぜわたしを生かしたの? そんなことを考えながら ひとりで、飲んだ・・・ 泣きたくなる気持ちに背を向けて 酔っ払いたちを眺めてた そして喧騒を逃れ、路地裏で泣いた 周りに悟られぬように、静かに泣いた 折りしも宵闇に助けられて・・・ 誰にも悟られぬように涙を拭いた わたしには何も無いことを思い知らされる わたしはいつも独り 誰といても、どこにいても・・・ わたしは、生きていない あの日・・・、死んだままだもの・・・ |
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+ 風のDejavu + いつだったかこんな日もあった 溢れんばかりの遠い未来があって 過去に哀しい記憶さえなかった頃・・・ 今感じているのは風のデジャウ゛ わたしの髪を分け 頬を掠めて行く風の記憶・・・ 定かではない時のカケラ 瞳を閉じたまま風に耳を欹(そばだ)てれば 虚ろな翳を引きずったままの曖昧な記憶が 行き場無くうろたえている 手を差し伸べ引寄せようとするわたしは 記憶の曖昧さゆえにそれさえも叶わない 錯覚だったのかしら・・・? それとも イメージングの生み出したフィクション? 欠落したピースを埋められないもどかしさは 害の無い失望と共に 妥協という諦めに塗り替えられてゆく 溢れんばかりの遠い未来・・・? 哀しい過去を持たない記憶・・・? いつの事だったのかしら? そんなものがあったのかしら? 不確かなままの風のデジャウ゛ わたしは振り返らない だから・・・早く消えて・・・ |
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+ 迷走 + 何もかもがあっという間・・・ 時の流れは そのものを見送る時間さえくれない ましてや 呼びかけても振り返ることもない わたしは どこをどう歩いてきたというのかしら 足跡さえ時の彼方 |
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+ 藍は愛に・・・ + 哀しみを隠すために 小さな嘘をついたわ あなたの目を見ながら真顔で・・・ あまりに小さな嘘は 波紋をたてることもできず 水面に消えたけど 鏡のように凪いだ水面の下に 哀しみは落ちていった 限りなく黒に近い藍は その何もかもを飲み込んでいると あなたは知らない・・・ そしていつかは この水面に大きな波紋をたてるわ そう わたしの身を投じて・・・ 藍は愛にあらずと知っているから |
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+ 堕天使たちのHEVEN + ここはHeven 堕天使たちの集うところ・・・。 愛も夢も真実も そのすべてにすれ違ってたどり着く 失望の楽園 鳥は鳴くことを忘れ 花は光に背を向けて項垂れるばかり 背負いし翼は罪の雨にうたれ 開く事すら叶わない ここはHeven 堕天使たちの憩うところ・・・。 人と心と約束と そのすべてに裏切られてたどり着く 絶望の楽園 陽は昇る事を忘れ 時は蹲ったままで笑う術も無い 背負いし翼は業の深さに煤け その存在も見失う ここはHeven 堕天使たちのHeven 天界の光を忘れ 心の闇を垣間見るところ ここはHeven 堕天使たちのHeven 仰ぎ見る天空にはもう戻れない |
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+ わたしを・・・ + 子供の頃 よくかくれんぼをしたっけ・・・ 土管の中、柿ノ木の上、犬小屋・・・ 子供だったわたしたちの視線で 目に付くものがいろんな隠れ場所になったわ 見つかりませんように!って・・・ 鬼さんが近くに来たら 息を殺して小さくなって・・・ すぐに見つかるとすごく残念で でも なかなか見つけてもらえないと とても不安になって わざと音を立てたり・・・ 大人になったわたしは もうかくれんぼなんかしない わたしはここにいるの わたしはここにいるの わたしはここにいるの わたしはずっとここにいるのに 誰も見つけてくれない・・・ 音を立ててみようか・・・? 何の音を・・・? でも だれも見つけてくれない だれも捜しに来ない スクランブル交差点の真中で 立ち止まってやろうか・・・! 信号が変わって人波が途切れても 行き交う車のクラクションも無視して ここに居ようか・・・!? 鬼さん わたしはここにいるわ わたしはここよ ここにいるのよ! だれかわたしを見つけて だれかわたしを捜して 「○○ちゃん みぃ〜っけ!」って・・・ だれかわたしを・・・ |
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+ 散歩道 + 春の霞みに包まれて 桜の花の下で口づけをしたわね 周囲を気にしながらの ぎこちない一瞬 そんな風に 近くを流れる小川の辺を歩いたわね 若すぎた二人にとって ジグソーパズルのように いろんな言葉の欠片までも 幸せの1ピースだったわ 菜の花の向こうに見え隠れする 水面の輝きの一粒 々 がとても綺麗だった 同じように週末を歩いてみるけど 今ここにあなたはいない 哀しいとか寂しいといった感情の領域は 過ぎた冬に託したわ 思い起こせば辛いけど 普通に暮らすだけなら平気でいれる もう5年もすぎたものね・・・ 今あなたに会っても心は揺れないわ 笑顔ですれ違う事だってできる 同じように向こう岸を歩く二人がいるけど とても幸せそうな顔・・・ わたしたちもあんな風だったのかしらね? あの二人 幸せになれるといいな・・・ たおやかな週末の午後 柔らかな光と風の道がわたしの居場所 桜も、菜の花も、小川のせせらぎも この春の陽射しのなかで わたしの心を癒してくれる 週末の散歩道 わたしだけの時間 |
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+ 水の眠り + 不本意な時間と 投げやりな現実に甘んじて生きている 通りすぎる今を、見てみぬ振りをして・・・ 口許だけの笑顔にも慣れた でも 笑いたくない そして 泣きたくもない 砂時計の砂は 底の知れない闇にサラサラと吸い込まれてゆく すべての想いを孕んだ砂の流れは 堆積の様も見せず ただ 闇の中に呑まれ 引き換えに 絶望という名の 黒く甘美な雨を降らせる 水のような眠りは 夜の澱みの中で半流体の硝子となって 闇を伝い落ちる 嗚呼・・・ 醒めやらぬ眠りはいつ訪れるのだろう? まやかしだけの夢はもうたくさんだ |
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+ 黒揚羽の夜 + 漆黒の鱗粉を纏(まと)った夜が訪れる 暗闇に溶けて潜む黒揚羽の夜 その羽ばたきは傀儡(かいらい)にも似て 巧みに夜を支配する 幻覚は時として 写実のような彩をもって 網膜を支配たらしめる ああ わたしは誰だ 生きているのか ここは黄泉ではあるまい・・・ 夜に冒され 人々の表情(かお)は溶け落ちて行く 露わになる赤裸々な嘘 闇に蠢(うごめ)く魍魎たち わたしは何を見ているというのだ ネオンサインに頬を染めて 眼下に夜の街を見下ろしている月 黒揚羽の夜 漆黒の鱗粉は この街の夜に月光さえも与えない おぞましき悪意は欲望の果ての仮面 夢の残骸を残して朝の眠りに就く街 欲望に薄汚れた街を 烏たちが啄(つい)ばむ 朝の清しさなどここには、無い |
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+ 残照のソネット + たわわに実るルビィ色の果実を染めて 夕映えは丘を染めてゆく 葡萄畑の夕景に渡る風は 心の片隅にある憧憬を揺り起こす わたしはこの風景が好きで 時折ここを訪れる 憧れや夢を抱いて この残照を眺めてたあの日・・・ わたしはもうあの頃のわたしではなくて 望んでいた未来は手にしていない 拭いきれない孤独感は やがてこの空の色に同化し 朱を失った夕景は 空と心を葡萄色に染めゆく |
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+ 風のチャペル + 夏の終わりを告げる蜩の唱を抜けてたどり着いた 風のチャペル ステンドグラスを通して彩を落とす残照は 静まり返った礼拝堂のテーブルに鮮やかだった 聖母マリアの横顔に光と影のコントラスト あまりの静けさに自らの呼気を知る そこに擁してきた人々の思い せつなさも愛も、夢も涙も この空間はその総てを抱いて時を留める 一人旅の気まぐれがここに呼び寄せた このマリア像の前に立ち尽くし 言葉も祈りも忘れ呆然とするしかなかった 祈るべく思いが見つからない 彩を落とすステンドグラスの光を そっと両手にすくってみた かすかな温もりに瞳を閉じた刹那 礼拝堂を風が渡る 海からの風だ 遠く海原に影を成す島々を残照が染めていた 紅と黄金色の煌めきが有明の海を満たすひと時 旅の終わりをここに決めて 風のチャペルを後にした 風のチャペル この教会の本当の名前をわたしは知らない 風のチャペル 旅の思い出にそう呼んでいる |
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+ 時を纏う心 + わたしたちの周りを どれ位の時間が過ぎ去ったのでしょう 屈託のないあなたの笑顔は 思い出の中のひとコマでしかないのですね 少年だったあなたの面影は どこで捨て去ったのでしょう 大人になるということ・・・ 流れゆく日々の中で 夢や希望を諦めてゆくことなのでしょうか それとも 失望や哀しみを重ね纏うことなのでしょうか 「もう子供じゃないから・・・」と うつむき加減に静かに笑ったね それに応えるわたしもきっと 色褪せた笑みを睫の間に見せたのかも知れない 大人になるということと 子供でなくなるということはきっと違う わたしたちは その境界線をいつの間に越えたのかしら・・・ |
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+ fake ! + 鏡の中の君はfake! 何のために・・・? 何を偽るために・・・? この鏡を叩き割るためにrougeをひくわ 粉々の嘘を踏みにじるためにheelを履くわ 心の闇は夜に隠し 音を越えた絶叫は時さえも切り裂くの 絶望を孕んだ微笑は 眩暈にふらつく足取りで 生命のborder lineを行き来する the life of fake! バルビタールを使えば楽になれるかしら? fake me..... good-bye so long..... |
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+ day dream + スクランブル交差点で あの日のあなたとすれ違ったわ 驚きのあまり時がすべてを止めたの 秩序の無い雑踏も けたたましいクラクションの音も・・・ 時の支配下にわたしもいたわ でも・・・ あなただけは知らぬ顔 見慣れた歩き方と後姿で去ってゆく 「ありえないわ!」 ありえない事に気付いた瞬間 時は動き始めた・・・ 運命に魅入られたあなたは あの日夜明け前にひとりで逝った 渡り終えた歩道から振り返っても 街はいつもの喧騒の中・・・ 時は変わらず流れつづけていたわ |
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+ 空が高すぎて + あれは早春の頃 恋人岬から見た穏かな海 あなたと二人 止め処ない想いを語り合ったわ 「ずっと一緒にいようね」って約束も あの日の春霞に取り込まれていたみたいね 甘い約束ほど不確かなものはないと知って 心変わりの不条理に泣いたのが夏 あなたの消息さえ知らないけど 何故だかふと思い出したの 約束なんて信じないわたしになってしまったのに あの日交わした約束を思い出して 投げかける相手もいないままに 「嘘つき」って呟いてみたわ 行き場無い言の葉は この空が連れて行ってくれた 晩秋に仰ぎ見る空が高すぎて なくした恋の痛みさえ もう思い出せない |
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+ あ・い・・・ + ちょっとした勘違いと思い込み そして猜疑心と嘘に 諦めと妥協・・・ それらに ほんの少量の好意をごちゃ混ぜにすれば とてもすてきな夢が始まる あるときこの言葉から醒めて 愛という言葉の正体を知り 一歩離れて見つめるようになるの |
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+ 約束 + 言ったじゃない もう誰も愛さないって 最後の愛だと信じたから 心委ねたの 疑いや疑問なんて カケラもなかったの ずっと同じ道を歩こうって言ったのに・・・ 約束なんて裏切りのアペリティフ 心とどめる事もできやしない もう誰も愛さない? うううん もう誰も愛せない・・・ |
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+ 点と波紋 + もう終わったと思っていた関係に たった一つの接点を見つけてしまい 憎しみが その接点を中心に波紋を描き始めた ほんのわずかな揺らぎは音も無く広がり 心の闇にさらに深い闇を落とす 確かな愛が在った日々は はかり知れない時間の喪失 もしくは 愛を模した時の眠りなのかもしれない |
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+ 優しい暴言 + 言の葉の羅列を遊ぶ君は その言の葉の重きを知らない 思慮の気配も読み取れないほどに 無造作すぎたその言の葉は 君の思惑の軌跡は描かず やがて一人歩きを始める 言の葉は育つ 数々の解釈を喰らいながら 言の葉は育つ 数々の想いを刻みながら そして君は その言の葉の行方も知らない |
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+ カ・ケ・ラ + 空を遮る雲のカケラが詩(うた)を記す 目醒めの雨に心が濡れる ベッドルームで聴く雨の独り言 自らの車が轢いて走る雨の戯れ事 ピアノの音にシンクロする雨のコーラス 窓硝子に雨の迷走 見上げれば雨の流星 ズブ濡れのノラ猫はそれでも貴婦人 ズブ濡れのノラ犬はそれでも紳士 ズブ濡れの女はささやかな狂気を抱くの そしてきっと心も濡らす ズブ濡れの男は仕立てのいい哀愁を纏(まと)うの そしてきっと過去を見るの 空を遮る雲のカケラは・・・ ほんの少しだけ彩を奪う |
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+ おと・・・ + わたしひとりの部屋で いろんな” おと ”を拾ってみたの 掻き混ぜてひとつにすると 唯のザ・ツ・オ・ン だから・・・ ” 音 ”をバラバラに分解して ” おと ”にしてあげたの ザ・ツ・オ・ンって呼ばれないように・・・ 車の走る音、冷蔵庫の作動音、時計の音 ファンヒーターの動く音、洗濯機の回る音 鳩の鳴き声、上の階の生活音、救急車のサイレン 風も叫んでいた 全部ひとまとめにすると・・・、ザ・ツ・オ・ン! 一つひとつに想いを傾けないと 存在や輪郭が掴めないね まるで人間みたい まるで人間みたい 他愛も無いね おかしいよ おかしくて・・・、寂しいよ |
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+ station + 人恋しくなる黄昏時 雑踏の響く駅の伝言板に 思いつく限りの言葉を書き殴ってきた・・・。 誰にということもなく、この街に向けて! 人に優しく生きようとすることが こんなにもせつない気持ちを生み出すなんて・・・。 「ありがとう」の言葉を聞いても 淋しく微笑むことしかできなくて・・・。 わたしの「ありがとう」には 誰もが満足そうに微笑んでくれる! せつなさを感じ 物悲しくなるのはどうしてなのかしら・・・? きっと伝言板の言葉は届かない どこにも。そう、誰にも・・・。 わたしの精一杯の思いを込めた言葉の前を 家路を急ぐ人波が黙々と通り過ぎてゆく。 それぞれの色を持った群集の中で わたしだけがモノクロームのままで 黄昏に溶けてしまう・・・。 |
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+ あやかし + ここはわたしの秘密の花園・・・。 咲き乱れしとりどりの彩(いろ)は、 わたしの心の端くれ――――。 わたしの咲かせたこの華を、 あやかしの華を手折ることなかれ。 経る刻(とき)にも色褪せることなく咲き誇る、 あやかしの華を手折ることなかれ・・・。 光も、風も、音も、愛も、夢も、涙も・・・ 憎悪も、画策も、怒りも、喜びも・・・ 恵も、搾取も、血も、策略も、温もりも・・・ 真実も、偽りも、冷酷も、疑いも・・・ その総てをかき集めて、 わたしの躯(からだ)が・・・、ここに在る。 わたしの心が・・・、ここに住む。 あやかしの華を胸に孕み・・・。 |
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+ 渇望と絶望の接点 + 恋をしたいの 誰かを心から好きでいたいの 雨の朝も風の夜も 恐怖とか哀しみに惑わされないように 恋をしたいの 誰かを心から好きでいたいの 海の藍も空の蒼も 区別とか境界線に翻弄されないように わたしはここにいるわ わたしはここにいるは わたしはここにいるのに・・・ あなたがここにいない あなたがここにいない あなたが・・・ここにいない あなたは誰・・・? あなたは何・・・? そう あなたは始めからここにいないわ わたしの前には 信じる事のできないわたしがいる 絶望しか知らないわたしがいる でも 夢を見たいの 不透明な夢でいいから 夢を見たいの 二度と醒めない眠りでいいから わたしが私を見失えればそれでいいわ 恋をしたいの そこに破局の明日が見えてもいいから 誰かを心から好きでいたいの 愛されなくていいの 気付かれなくてもいいの 蔑まれても・・・、いいわ 誰かを心から好きになれれば 誰かを心から信じられれば 恋をしたいの 誰かを心から・・・ |
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+ 黒き血のソネット + 不条理の前には言の葉など虚しく 泣き砂のように哀しく響くばかり・・・。 かすかな叫びも 無情の風にかき消されてしまう・・・。 人の世にぬくもりなどありはしない 人の心に優しさなどありはしない 下心と欲望 嘘と罠だけが形を変えているだけ 信じることの愚かさを あらためてこの心に刻んでしまう 疵にまみれた心には もう何処にも刻みうる場所はなく 疵に傷を重ね 滴る黒き血に染まるばかり |
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+ 蒼い雨に + ブルーレイン 街のネオンを映して夜に滲む ブルーレイン 君の涙を隠して頬を濡らす 肩を震わせた君は 夜の雨が寒いからって・・・ウソ ブルーレイン 傘もさせない二人に愛を落とす ブルーレイン 哀しいウソは互いの愛で消して 肩を抱き寄せたボクは 夜の雨を隠すように・・・愛 ブルーレイン ブルーレイン 哀しい過去は捨てるよもう放さない ブルーレイン ブルーレイン 二人の愛は再び生まれ変わる きっと巡り会うさだめ ずぶ濡れの愛暖める・・・キス ブルーレイン・・・ ブルーレイン・・・ |
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+ 最果ての宇宙(そら) + 闇に覆われ時間(とき)を失くした海淵は 経り積む死の残骸と 時間を捨てた水の澱(よど)み ここに沈めば 総てから解放されるのでしょうか 泥のように堆積する時間の末路 漆黒の澱みは 闇の果てさえ知らない 重篤の精神(こころ)は なす術もなく沈む 抗(あらが)いは無を掴み もがき ここに沈む 自らの重みで落ちて行く 欲望の黒き翼はただ揺らぐばかりで もう風を切る事もない 見開かれた瞳孔は 何者をも映しとめる事無く 一滴(ひとしずく)の闇となる ああ 海淵に堆積せし死の残骸よ 無限に経り積みし時間の末路よ その最果てに宇宙(そら)は在るのでしょうか 経り積む時間に絡め取られ 沈む 沈む 沈む |
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+ 輝きの音 + 引きちぎられた糸から放り出された輝きは 床を跳ね部屋中に散らばってゆく 一つひとつがスローモーションの拡散 似合わないって言ったわ 止めた方がいいとも・・・ 本当は自分でもわかっていたわ わかっていたけど 綺麗な女になりたかったのよ 滑稽ね 不様だわ 恥ずかしさに頬が燃えたわ 「これくらい背伸びしてもいいかな?」って 精一杯の思い込みだったのよ 嘘でもいいから 「似合うよ」って・・・ それも駄目なら無言でいてほしかった あなたの目を見れば本音がわかるもの そうすればなかった事にして 後ろ向きでそっとはずしたわ なのに・・・ 静かな夜に響いた散らばりゆく輝きの音を わたしは決して忘れない その所業を見て 驚いていたあなたの目も たとえあなたの事を忘れる日が来たととしても・・・ そしてもう再びネックレスなど買ったりはしない |
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+ 窓辺のテーブルで + ねえあなた 気付いてる? タバコの灰が落ちそうだよ 何を考えているの? 何を目で追っているのさ? あなたの心が見えないよ こうしてあなたはここに居るのに あなたの心が掴めないよ ほらほら・・・言ってるはしから タバコの灰が落ちたじゃないか |
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+ 追憶の街角 + 雨の匂いのする街角で 懐かしいBGMに呼び止められた 昔よく唄った歌 ギターを弾き始めて何度も唄った歌 恋愛の事や友達の事 将来の夢や現実・・・ いろんな事に夢中になれた日々 記憶は曖昧なままなのに 想いだけは鮮明に蘇るのね この街は面影のひとつも残さず変わって 共有するスペースさえ持ち合わせていない せつなさから逃れようと歩き始めたとき 雨は降り始めた |
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+ 好き? ・・・キライ!+ 夜の雨は好き 赤ワインをそそぐときの色が好き バッハが好き EmとDmのコードが好き サァッっと吹く風が好き 菜の花の黄色が寂しくて好き 携帯で聴くあなたの声が好き パロマピカソの香りが好き ショートケーキの苺が好き 雲ひとつない空が好き 頬を伝う涙が好き 川のせせらぎが好き 音もなく降る雪が好き コトコト煮込み料理を作るのが好き キャンドルの炎を吹き消すのが好き 初夏の緑が好き 木枯らしに舞う枯葉が好き 春霞の野辺が好き 雑踏の中の孤独が好き 人間以外はみんな好き わたしは・・・キライ |
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+ 乙女海岸の約束 + 乙女海岸の約束を憶えてる? あなたがわたしに別れを切り出したとき 言葉もなくイヤイヤをするわたしに言ったこと 今はこの関係を終わりにしたいって言ったの 好きだけど 愛してるけどいまは・・・って 5年後にきっと君の前に戻るからって言ったよね そんなあなたはキレイな女性(ひと)と 幸せそうな家庭を築いてる 子供を抱いたあなたとすれ違ったとき あなたは一瞬立ち止まったけど 子供に促されて立ち去ったわ あの一瞬は何だったの? わたしに声をかけようとしたの? それとも、忘れていた記憶を辿ろうと・・・? もういいのあんな約束 約束なんて儚いものだから 約束なんて信じてないから できるなら立ち止まらずに 気付かないまま通り過ぎてほしかった 乙女海岸の約束を思い出してしまうから 名前に似合わない 寂しい海を思い出してしまうから |
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+ 出発(たびだち) + さあ羽ばたいてごらん もう子供じゃないから この広い空のどこにでも行ける その翼の広がりは風を抱ける 大空を流れる風に乗って 見晴るかす頂を越えてごらん そこには君の夢があるかな? そこには君の愛があるかな? そこには君の・・・ そこには君の明日があるから |
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+ 真実の偽証 + 買えるものなら時を買うわ すべてを捨てて時を買うわ 過去を売るお店はありませんか・・・? 時の彼方に置き去りにした思いは 今もあのときのままでこの心にあるの 経る時は覆い隠すこともできず 引き換えに未練の色を濃くするばかり・・・。 買えるものなら時を買うわ 買えるものなら過去を買うわ ここにいるはずのわたしを 本当のわたしを抱きしめてあげたいから 本当のわたしで生きていたいから・・・ |
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+ 扉 + 泣きながらいつかは この扉を開かなくてはいけないのですね ひとつ一つ決別を繰り返してきたけど いつか最後の決別をするときが来る 大切な絆も 哀しみを代償に繋ぎとめられない この扉を開くということ それは 決別の繰り返しのすべてに 自らの手でピリオドを打つということ 扉の向こう側にある 違う哀しみの領域に踏み出すということ たった一つの扉は そのためだけに残されている |
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+ 帰れない心 + 風に波打つ麦の穂は 緑深き海のようです 風を泳ぐヒメジオン(姫女苑)は 忘却の夢のようです わたしたちは時の波間に飲まれ 愛を見失いました 希望の轍さえ風に晒され 失望の砂に埋もれてしまいました もうあの日には帰れない・・・ |
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+ 同級生 + あなたの失望を語り尽くすなんて そんなことできないと思うけど 今夜は話し相手くらいにはなってあげるわ さあ、呑みに行きましょう ネオンが消えるまで呑み明かすのも 一度くらいはいいものよ 彼女の前ではいつだって強気のあなた・・・ 負けず嫌いのあなたなのに いつもあたしには本音をぶつけてきたわね 敗者も時には楽だって知ってるくせに 知ってていつも辛い方を向いてしまうのね 今夜は酔い潰れてもいいわ ちゃんとアパートまで送り届けてあげるから 彼女にばれないように、ちゃんとするから・・・ だから・・・ いつか・・・ あたしの想いに気付いて・・・ それでいいの、気付いてくれるだけでいいの それ以上は望まないから安心して 気付かれもしない愛なんて寂しすぎるから 気付いて知らん顔してくれればそれでいいわ あたしたちは今まで通り同級生 今まで通りの同級生 |
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+ シェスタ + 情熱に燃える太陽の下 木陰でのシェスタ 地中海を渡る風を受けて揺れる 木漏れ日に抱かれ 夢を綴るシェスタ 誰も知らないわたしの素顔 これがわたし これが心 |
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+ 寂寞の街で + 都会を飛び交う蝙蝠は どこに帰るというのかしら 黄昏に染まる四角い空を 強風に舞う木の葉のようにヒラヒラ・・・ 歩道橋の上からそれを眺めるわたしは 残照に頬を染めて黒い影を見送ったわ 眼下の車列はどこに向かうというのかしら 光が織り成す赤い帯と白い帯 バスストップの乗客たちを飲み込んで シャトルバスも動き始めたわ みんなどこかに向うの? みんなどこかに帰るの? 残照も紫紺の空に見送られて 遠い山並みに去っていったわ 歩道橋の上で 学生達とすれ違いながら気付く まわり道と迷い道の日々に・・・ こうとしか生きれなかった 素直じゃなかった自分に・・・ もう背は向けないわ 顔を上げて歩きたいから もう目は伏せないわ 迷い道に泣きたくないから だから 誰かわたしを愛して・・・ |
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+ 嘘 + この手に余るほどの 大きな嘘は許すわ でも ひと握りで隠れるような 小さな嘘は許せない 大きな嘘は ひと時の夢に代えられる でも小さな嘘は 真実の中で鮮やかに嘘だわ 嘘をつくのなら すべてを嘘で隠して 何が真実なのか わからなくなるくらいに・・・ |
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+ 溺愛 + 降るようなキスをして あなたの想いのすべてを込めて わたしの躯に刻み込んでほしいの 哀しかった過去を消すように ありったけの愛で抱きしめて あなたしか見えなくなるくらい わたしの心を絡め取ってほしいの 寂しかった嘘を消すように 過去の疵を 涙の呪縛を 永すぎた悪夢だったんだよって囁いて わたし変るから 笑顔の似合う女になるから キライだった笑顔を取り戻すから だから わたしの前から消えないで・・・ |
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+ 時・刻 + 静かな夜 時を刻む時計の音を数えてみる こんなペースで流れる時間が いったいどれだけ過ぎたのかしら この世に在る時間と わたしが生きていることで 日々刻まれるわたしの時間 愛する人たちの時間 見知らぬ誰かの時間 いろんな時間が それぞれに流れてる 絡み合う時間 断ち切られる時間 すれ違う時間 共に流れる時間・・・ 静かな夜 カチコチカチコチ・・・ いろんな歴史が刻まれてゆく |
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+ 時計台に見たもの + 〜時の14行詩〜 時計台の鐘が時を告げて からくり人形は同じ仕草を繰り返す 無機質な瞳と 躊躇いの無い舞いを繰り返す 仕組まれた時間 夢を許さない日々 明日への好奇心は 経験で浪費したわ 不確かな明日は 不安と恐れに姿を変えた 昨日の過ちに怯え 身構える術も忘れ 繰言のような時は あの時計台のからくり人形 |
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+ respiratory arrest + いつも心のどこかにある 「永遠の彼方に逝きたい」という思い・・・ 時間の隙間にうずくまったまま 人々の記憶から風化していくように 去っていければ・・・ 涙など永遠ではなくて いつかは潰える感情の揺らぎ・・・ 心の疼きを鎮め 精神の崩壊を回避するための 一過性の雫に過ぎない・・・涙 もう愛など望まない もう夢など描けない ひび割れた砂時計はいつか止まる |
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+ 風と砂のクレスト + この丘にある風のクレスト 沈黙を抱いた風の記憶 視界を埋め尽くす砂の海は 捨て去られた時間(とき)の残骸 見失った愛のカケラはどこにも無くて すくいし指の隙間からは 在りし日の記憶だけがこぼれ落ちた 葡萄酒色の夕焼けが彼方を染め やがて 滴り落ちた緋色の時間(とき)は 風の記憶まで染め抜いていった この丘でわたしは無力だ 砂粒ほどの確信も持てない わたしの生きた歴史までもが この丘の記憶に飲み込まれてゆく |
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+ sanctuary + 何人もこの聖域に帰り道を持たない 自ら足を踏み入れた者も 抗いながらも連れ去られし者も すべてが出会う時の辻 虚無の闇に架かる一条の橋は その果てさえ定まらぬままに 遠く霞の彼方へと続く禊の旅路 合わせ鏡の如き宙(そら)は 喰らいし煩悩の重きを知らしめ 刹那のごとき人の世の儚さは 一陣の風に弄ばれし病葉(わくらば)の如く はらりと翻りそのすべてを終える ここは聖域 失われし時の外側 もう誰も帰り道を探せない 永き旅路の果てを 誰一人知る由もなきゆえ・・・ |
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+ 雨の匂いのする朝に + 遅く目覚めた朝に濃密な雨の匂い 愛の気配はどこにもなくて あなたと愛し合った事実さえ まどろみの中に消えてしまいそうです テーブルに残された吸殻と クセのある甘い煙草の香り 流しに置かれたデミカップだけが あなたの存在を裏付ける事実 まだ覚めやらぬ眠りの断片を引きずって ソファーに身を任せたまま 記憶のパズルを組み立ててみる あなたの愛し方の手順と あたしが眠りに落ちるまでの道のり この身に残された感触 躯の疼きは あなたの愛撫のせいよね 心の疼きは あなたの囁きのせいよね 雨の音を捜しながら あなたの足音を捜してしまう 時計の音を捜しながら 雨の音を見つけてしまう |
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+ BLUEそしてブルー + 濃いブルーの夏空が鮮やかで イメージサークルのすべてを写しとめたかった 四角に切り取ることが忍びなかった ありのままの夏を焼き付けようとしたんだ 出来上がりのリバーサルを想って ファインダーを覗き込んだ カールツァイスの18mmは PLフィルターの向こうに 水平線を弧に切り裂いて二つの青を魅せた 夏空の蒼と それを受け止める海原の藍・・・ 夏がゆく前に 時を払拭する前に 1/8000秒で時を止めた |
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+ 愛故に + 本当の優しさは 時として厳しいものであると せめて愛する人には知っていてほしかった わたしを恨んだあなたは 遠い過去の事でさえわたしを責める 愛するが故の あなたを思うが故の言葉さえ あなたの中で悪意に育つ もう終わった愛 過ぎた過去 わたしの真実をあなたは認めない わたしの思いをあなたは知らない 愛の深さ故 もうわたしは誰も愛せない |
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+ 冷たい炎 + 探り合い、騙し合い、 己の保身と欲望を満たすために、 誰かを傷付け切り捨てて横を向く・・・。 彼等がしがみ付く階(きざはし)は、 天空を覆う灰色の雲を越えることができるのかしら? 魍魎たちを住まわせた彼等の心は、 人の為(な)りをしてほくそ笑む。 心を汚さないことの苦痛と空虚な日々は、 わたしの中にまたひとつ陰を生み落としてしまった。 醜悪で不実なものに対する憎悪は冷たい炎となって、 この心の闇に火を灯す・・・。 揺らめく憎悪の灯火は、 幾重もの影を落とし、漆黒の闇の扉を開いてしまう。 信じるに値するものが、 果たしてこの世に存在するのかしら・・・? 抗い、決して目を逸らさなかったわたしの、 虚無の闇を掻き毟る爪はもうボロボロだ・・・。 |
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+ andante... + 歩くような速さでいたいね あなたもあたしも・・・ 自分の歩幅でゆっくりと 急ぐことなく 行過ぎる風や時とすれ違いながら 見渡してごらん きっとどこかにぬくもりがあって きっとどこかに優しさがあって ゆっくりと 歩くような早さで きっとあなたの傍にいるから そしてあなたもきっと気付く あなたと同じ速さで そこに在る時と愛に・・・ |
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+ 宿命 + 〜さだめ〜 永遠など在りはしない 何もかもが いつかは消え去るのが宿命(さだめ) 例え其処に愛が微笑んでいても 例え其処に夢が佇んでいても 存在は いつかは無に還る そう 永遠など何処にも在りはしない 宿命(さだめ)は 始まりと終わりの墓標 刹那の果ての物語・・・ |
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+ 風便り + この空の果てはあなたに続く 吹き来る風は雲を運び 季節を運ぶけれど もう二度と私たちの刻は運んでこない 一日を あなたを想う気持ちで終始するけれど その想いは行きつく果てもなく 時の深淵に飲み込まれてゆくだけ 風に綴る便りは もう決して届かない 涙も枯れた哀しみは 風に忘れ去られた水面のように 何もかもを映し込むばかりで もうそこに表情(かお)は在りはしない この空の果てはあなたに続く この空の果てはあなたに続く 吹き来る風に抱かれて見上げた空は 蒼い哀しみを瞳に映して波打つばかり |
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+ 愛をくれたあなたに + 愛する人に何もできなかった 何もしてあげられなかった いつも心の中にあった 思いやりも愛もすべて・・・ 素直になれなかったわたしは もう何もしてあげられない 後悔は心に疵を刻み この傷跡は決して失くせない あなたが生きているうちに なぜ素直になれなかったの? なぜ・・・? 想いのすべては 後悔という哀しみに姿を変えて わたしの心で生き続けるわ この哀しみを わたしは決して手放さない 逝ってしまったあなたにしか 手渡せないものだから・・・ |
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+ 黄昏の街で口づけを + 風が通り過ぎた気がしたわ あなたに抱きすくめられたからかしら!? 何もかも消え失せて 時さえ止まったような気がした 戸惑いの間もない口づけは 思考が後追いして動けなかった・・・ 躯(からだ)のすべてが脈打つかのような鼓動 呪縛に絡め取られたような心が、 あなたの力強い腕に気づいて熱く燃えたわ 黄昏に溶けてしまいそうなくらい紅く、深く・・・ 刹那の出来事が刻み込まれた唇と心 驚きと共に揺れ動く戸惑い もう一度抱き寄せられて、 共有する時間が思い出を刻み始めた |
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+ 旅立ち + 小さな旅立ちを見送った それぞれの胸に まだわずかなばかりの思い出を抱いて まだ見ぬ明日へと思いを馳せる 自らに与えられた無限の選択肢を 少なくともまだ彼らは知らない 思い出の学び舎を旅立つことの寂しさと 激励や祝辞、 新たな明日への慶びに揺れるこころ 卒業 自我を手に入れた彼等の初めての感動 小さな旅立ち そこには何の打算も嘘もない涙があった 君たちの今日の涙を忘れない 君たちの今日の慶びを忘れない 愛しき明日への命たちよ 君たちを決して忘れない 君たちもまた 清らかな感動を忘れることなかれ・・・ |
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+ ネオンの街に埋もれて + 霞む茜の空を切り取るように シルエットの摩天楼は空を削る カゲロウよりも儚く脆く 欲望に埋もれる大都会に見た夢 つかの間に幸せを演じ 満面の笑顔で嘘を隠すわ 時の流れさえ忘れた部屋には リアルを見せないために窓さえ無くて 隔絶された鏡の世界 決して真実を映すことのない鏡の世界 欲望の澱みは偽ることから始まるわ 後ろめたさを忘れた心は 何が真実なのかさえ見えなくなった |
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+ リグレット + 何をやってもダメね あたしはこんな星回りの女 いつも最後は涙にしかなれはしない 泣いて泣いて・・・、泣いて 生きるために、明日のために必死に生きて ご褒美はいつも涙 もういいわ もういいの 仕方のない宿命(さだめ) 独りで泣くのが哀しくて 背負いきれない人生が重くて またひとつ心に鍵をかけてしまう いつの日か悲しまなくていいように 精神(こころ)が崩壊してくれればいいのに・・・。 どんなときも どんな場所でも ただニコニコと笑って 自らの狂気にさえ気づくことなく 狂って狂って狂って 笑いながら消えていければいいのに・・・。 もう泣きたくないよ もう希望を持ちたくないよ もう夢など見たくないよ もう・・・泣きたくないよ だからお願い あたしを無かったものにして・・・。 |
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+ 桜並木を + 葉桜の街に夏の香り 土手を渡る川風が遠い思い出を連れてきた 一面の菜の花を見下ろしながら 胸いっぱいに深呼吸をしてみる ああこの香り、初夏の香り・・・ 行き交う思いを足元に見ながら 川風の土手を歩く 風に向かってゆっくりと、ゆっくりと・・・ |
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+ passing away of the heart + 旅立ちはいつも、夢と希望がそこに在る。 そして、同じだけの不安が共に在る。 歩き続ける努力と、 信じ続ける強さを無くさない限り明日は再び廻りくる。 裏切りも嘘も時が癒してくれる。 赦(ゆる)すことのできる日はいつかきっと訪れるから、 囚われの心に自らが囚われる事なく、 無償の愛の種を蒔こう。 心が生まれ変わることも、それはきっと旅立ち。 |
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+ one night love + 踊りましょうか今は 愛し合った記憶なんて忘れて 心のままに感じるままに あなたが誰だったかなんてどうでもいいの 週末のクラブは恋人たちの時間 一人でいたくないだけ 愛が欲しいわけじゃないわ だから本気にならないで 踊りましょうかもっと 隠し続けた心なんて忘れて 流れのままに行き着くままに わたしが誰だったかなんてどうでもいいの 週末のクラブはメイクラブの時間 隙間を埋めたいだけ 夢が欲しいわけじゃないわ だから明日を聞かないで 二人が誰だったかなんてどうでもいいの 週末のクラブは寂しがり屋の居場所 昨日を忘れたいだけ 今が楽しいわけじゃないわ だから心は見せないで |
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+ 虚ろな記憶 + どれくらいの時間(とき)が流れたのでしょう 見下ろす街のたたずまいは変わることなくそこに在って わたしも変わることなくこの部屋で時間(とき)を生きた 三年の月日だけが粛々と流れ わたしの中の哀しみも少しだけ風化した 哀しいという事実だけを残して その理由の輪郭だけがぼやけてきてる いつの日か 実体の無い哀しみだけが置き去りにされる 行き場を失した想いは 同じだけの何かを奪い去りそこに住みつくんだ 眠りの中の夢で見るように はるか闇の深淵に滑落していくように 今まさに宵闇が街を覆う この闇に紛れて 輪郭を曖昧にしたわたし自身が息をひそめ 自らの鼓動に怯えながら眠りの淵へ落ちてゆく 虚ろな記憶は眠りの間際を彷徨い 何が本当にあった事なのかさえもう思い出せない |
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+ 輝きの行方 + いつも心のどこかに死を見ている自分が在って 成す術のない失望を反芻している もう二度と訪れる事のない過去に縛られて 幾重もの物語を見てきた。 在りえない夢物語・・・ 今はただ パンドラの箱のごとく 片隅に見つけた小さな輝きを愛し そのためだけに生きようと思う。 その輝きの行方を いつまでも見守りたいと思う。 わたしの生命をつなぎ止める 一握の希望 全世界を敵にしても この輝きだけはわたしが護る この輝きの行方のために そのためだけにわたしは生きる・・・ |
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+ 青い記憶 + 雨に滲む紫陽花の青が とてもせつなく綺麗で 花弁を伝う雨までが涙のようです 愛を信じていたあの頃が 変わらない愛を信じてたあの頃が 小さな水玉の中に浮かんで消える 愛の脆さと不確かさを知った今 少しだけ嫌な女になりました |
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+ 色褪せた写真 + 書籍の整理をしている途中で 古い写真を見つけた 遠いあの日・・・ せつなさと懐かしさとが交錯して 息を殺して見つめ続けてしまう 噛みあわなかった歯車は錆びついて もう二度と動く事はないけれど 今になってわかることもあった 形はどうであれ そこに確かに愛が在ったことも・・・ |
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+ 港雨情 + 鉛色の空は 暗く沈む海を抱き締めて泣いた モノクロの港町は早朝の霧に抱かれ 時の澱みを拭いきれない 置き去りにされた幼子のように 海鳥たちは行き場なく蹲る 俯いてみても そこには影さえ在りもせず 煤けた夢が横たわるだけ・・・ |
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+ 生きるという真実 + 人はなぜこれほどに憐れで愚かでせつないのかしら 裏側ばかりを知りすぎて それでも尚人は素晴しいと言えるならば きっとそれは真実の何一つをも知らないから・・・ 風も木も土も そして海も空も時の流れも 少なくとも人と呼ぶもの以外の美しさよ 優しさも厳しさも 凛としてそこに在って 広く深く厳然として不動の真実 人はそれらを何一つ背負うことができない 欲望を糧に ただ抗いながら生きているだけ・・・ |
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+ グラスの中の時間 + カクテルグラスの底まで染めて 遠い黄昏は紅を深めてゆきます 哀しみのように深く 愛のように鮮やかに 希望のように揺らぐ不確かさ ただ変わらぬものは やがて必ず宵闇が訪れるということ そしてまたそこに夜明けが訪れるということ 輪廻する時の鼓動・・・ 朽ちてゆくものは 生命(いのち)有する儚きものだけ |
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+ give and take ! + 子供の頃によく言われた言葉 オイタをしてると神様が見てるんだよ・・・ そう 神様は見てる、一部始終を・・・ どんな隠し事もどんな嘘も そう いつも見てるわ いつも・・・ 見てるだけ 何をしているか、何が有ったか ただ見てるだけ ただ見てるだけ 見ているだけで 何もしてはくれない 助けてもくれない 助けてもくれない 何もしてくれない神様に 罰を与える権利などありはしない あたしがどんな罪を犯したとしても そんな権利なんか有りはしない |
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+ 恋・憐愍 + 蒼い夜に月の雫 掌に受けて空を仰ぐ はらりと揺らぐ黒髪も 月の雫に濡れて光る 波紋の如し時の揺らぎは 静かにしずかに夜を詠う 十五夜観月薄の野辺に 然もありなんと蟲の議するを 息をひそめしただ聴き入りて 蒼白の面(おもて)に想いひそめし |
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+ 積み木の城 + 恋は哀しいもの こんなものの成就を なぜ人は望むのでしょう なぜ人は喜ぶのでしょう 幸せすぎる恋は続かないもの・・・ 人は幸せに慣れてしまうもの 人は嘘に慣れてしまうもの 虚ろな夢はいつか朽ちる 永遠を司るのはいつも哀しみ 積み木の城は脆いものだと 幸せに似て脆いものだと知らぬままに 笑顔で組み立てていく憐れさよ・・・ 人は皆 影は切り離せぬものだということを 心のどこかで知っているはずなのに・・・ |
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+ 思い出の別名 + 良くない事だと解っているわ けれどあなたを許せない 自らの心を傷つけながらも あなたを あなたを憎んでしまう 今まで愛してきた事も 今まで信じてきた事も その深さと 積み重ねた日々の崩壊・・・ もうどこにも行くあてはないわ 哀しいことだと解っていても あなたを憎むことでしか今を生きていけない ただ傷口を掻き毟るように 痛みと苦しみにしか命を探せない 憎しみだけが思い出の別名 |
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+ passing away of the heart + 旅立ちはいつも、夢と希望がそこに在る。 そして、同じだけの不安が共に在る。 歩き続ける努力と、 信じ続ける強さを無くさない限り明日は再び廻りくる。 裏切りも嘘も時が癒してくれる。 赦(ゆる)すことのできる日はいつかきっと訪れるから、 囚われの心に自らが囚われる事なく、 無償の愛の種を蒔こう。 心が生まれ変わることも、それはきっと旅立ち。 |
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+ 桜並木を + 葉桜の街に夏の香り 土手を渡る川風が遠い思い出を連れてきた 一面の菜の花を見下ろしながら 胸いっぱいに深呼吸をしてみる ああこの香り、初夏の香り・・・ 行き交う思いを足元に見ながら 川風の土手を歩く 風に向かってゆっくりと、ゆっくりと・・・ |
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+ REAL + あなたが見せてくれたリアルな幸せは あの日あなたが持ち去ってしまった 哀しみと引き換えに 涙と引き換えに 風化することなく思い出はリアルで 二度と愛など手に入れたりしない 哀しみはいつの日か ただの記憶となって風化するときが来るけど 幸せの記憶はいつまでも 哀しみに姿を変えて生き続けてゆく その愛と幸せが真実だった分だけ 哀しみは深くリアルだ 絶えることのない涙を吸って 幸せの日々は哀しくリアルだ |
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+ 愛しているよ + ここにも無かった あたしの探してる言の葉は あたしの好きな言の葉は どこにも無かった ただ虚ろに時は流れ 嘘と知りながら全てを許して 在りもしない蜃気楼のような夢 君を愛しているよって・・・ 君だけを愛しているよって・・・ |
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